機能不全に陥ったOPEC、増産凍結はやはり見送りに。
石油輸出国機構(OPEC)は2日、ウィーンの本部で定時総会を開いた。一部加盟国が需給引き締めに向けて原油生産量の上限の設定を模索したが、増産を続けたいイランとの溝が埋まらず、合意に至らなかった。
毎日新聞より抜粋
これまで
と書いてきて、OPECの総会でどうなりますかねーって感じで締めくくってはいたんですが、案の定、やっぱり合意しなかったね。っていうのが率直な感想です。
でも、その前にはカナダの山火事による石油プラントの活動停止やボコ・ハラム(ナイジェリアの武装集団)による石油プラントへ襲撃などで世界全体の原油生産量は減少したんですね。(それでも相変わらず市場供給過多ですけど、、、)
あとは、これから夏を迎えるアメリカなどではガソリンの消費量が上昇するので供給過多とはいえ、その分消費するから過剰供給分は圧縮されて結果として需要と供給のバランスがとれそうな感じではありました。
さきほど書いたナイジェリアでの襲撃事件やカナダの山火事などで均衡が一時的とはいえ保たれたので、この波にのってOPECが増産凍結に合意するかなーっていうのがOPEC総会開幕前の最後の希望だったんですけどね。
そんな増産凍結に向けての話し合いで提案されたのが
生産枠の復活
これってOPEC全体での生産枠を日量(1日当たりの生産量)上限を決めて、その中でバランスをとっていきましょー!って話なんですけど、そうなると最大産油国のサウジアラビアが圧倒的に有利なのは当たり前で、イランが納得するワケないんです。しかもサウジアラビア国王の息子であるムハンマド副皇太子が国防相と経済閣僚を束ねる経済開発評議会議長に就任した事で強大な権限(防衛・外交・経済)を掌握した結果、シリアでは、
イラン&アサド政権(シリア) vs サウジアラビア&反政府組織
の構図が顕著になってしまっているのです。
これはシリアを舞台にしたイランとサウジアラビアの代理戦争みたいなもんです。
それに加えて、このムハンマド副皇太子が経済開発評議会議長っていうお偉いさんで「原油の市場シェアを拡大させたい」という発言を度々しているためイランに真っ向から喧嘩を売ってるわけです。そんな挑発をくらっているイランがおとなしく生産調整に応じるわけもなくですね、増産させろやぁ!って反発していたわけです。
でも、イランもなんでもかんでもNOだったわけじゃなくて
全体の生産上限ではなく、各国ごとの生産枠設定
を提案しました。これは国別で枠を設定する事でサウジアラビアの増産を牽制しつつ、自国(イラン)の生産枠を現状以上確保することでサウジアラビアに邪魔されることなく市場シェアを回復させたいという思惑があったんでしょう。
で、そんなのに同意するわけがないサウジアラビア。
完全に話は平行線なんです。
ここまで書いてきて思うのは、もうOPECが機能不全だとかそういう次元じゃなくて結局イランとサウジアラビアが国交回復するなりして、正常化しない限りOPECの足並みが揃うことはないって事です。
で、一番とばっちりを受けているのがナイジェリアなどのアフリカ産油国やベネズエラ。
ベネズエラって石油の埋蔵量は世界一らしいんですよ。なのに、なんで産油国として知名度が低いのかというと、それは長くなるのでまた今度書きます。
でも、まぁ最近のWTIやBRENTの価格推移をみていると、$50周辺をフラフラしているのでOPECが色々しなくても価格の安定化が図れているので、もしかしたらOPEC機能不全とかじゃなくて、もうOPEC自体の存在や影響力が薄くなってきているのかもしれません。
ってか結構前に書いてた$40~50くらいで落ち着いてほしいっていうのが現実とほぼリンクしているのでビックリ!
価格が下落するのはいいですが、これ以上上昇するのは勘弁してほしいですね。
最後に
WTIって何?BRENTって何?っていう方は
を読んでいただけると分かると思います。
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