2019年06月14日

安倍総理がイラン訪問中に起きたタンカー襲撃とその裏側に渦巻くアメリカとサウジアラビアの思惑

タンカーへの攻撃

日本時間6月13日午前11時45分、ホルムズ海峡近くのイランとアラブ首長国連邦(UAE)の間のフジャイラ沖合で13日午前6時45分(日本時間同午前11時45分)ごろ、砲弾による攻撃を後部に受けた。船体外板に砲弾が貫通したような跡があり、エンジンルームから出火したが乗組員が消火したが数時間後に再度甲板に着弾し乗組員が全員退避、現在タンカーは漂流中。

 ペルシャ湾とタンカー襲撃場所

 

ペルシャ湾を挟んで対立するアメリカ・イラン

 

アメリカとイランの対立は今始まったわけではなくて、イラン核合意からアメリカが離脱したりと色々と対立が深まるまでの長い道のりがあるわけです。

そこらへんは、一昨年の4月頃に書いた

から順をおって読んでいただけるとスムーズに理解できるかと思います。

*一通り、全部再度読み直したら、イラン以外にもベネズエラの状況とかも書いてあったので、ここ半年くらいの様々な動きは何か関連性がありそうですね。

 

で、アメリカとイランの対立がどうなっているのかを地図上に示したものがあったので拝借してきました。ありがとう、産経ニュースさん!!

わかりやすいくらい敵対してるな。

ただこの対立はアメリカが直接関与しているというよりはサウジアラビアとイランの関係性の問題なんですよね。

これに関してはフィフィさんのブログに書いてありますので、読んでみてください。

 

アメリカとイランの間に立つ日本

今回の安倍首相の訪問はアメリカからの要望によるものだと言われています。

イランに現首相が訪問するのは41年ぶりで、41年前に訪問した首相は第67代内閣総理大臣の福田赳夫首相でした。

福田赳夫

ちなみに息子さんは第91代内閣総理大臣の福田康夫さんです。

※世襲制が色濃く残る政治の世界でも初の親子総理大臣に就任しています。

でもイラン訪問というと、どうしても前職の関係もあってか、出光興産と日章丸事件を思い出してしまいます。

出光興産の創業者である出光佐三店主に関しては、こちら
*V6の岡田君主演で映画化された「海賊と呼ばれた男」の主人公ですね。

出光興産のタンカーがイランに赴いた日章丸事件に関しては、こちら

で書いてあります。

 

で、今回の安倍首相の訪問はアメリカとイランを同じテーブルにつけるようにしようということでしたが、結果としては

・イランは核兵器の製造・保有する意志がない事を表明

・アメリカとは直接交渉しないという意思表示もした。

という感じでした。アメリカの望む結果とはならなかったものの、今後ももしかしたら仲介者として日本が活躍する機会があるかもしれません。

 

水を差すタンカー攻撃

そんな流れで大きな進展もないものの、着実に進展はしたと思える交渉に水を差すような今回のタンカー攻撃。

これに対してアメリカ政府は緊急の記者会見を開き、「米政府はイランに攻撃の責任があると分析している」と明言した。集めた情報、使われた武器、攻撃するための高度な技術、最近の類似する船舶への攻撃などに基づくとしている。

でもね、さっきの地図を改めてUPしますが

ペルシャ湾とタンカー襲撃場所

確かにイランも攻撃できるだろうけど、サウジアラビア・オマーンも十分攻撃できるレンジにないかな?って思うんですよね。

しかも攻撃って書いたけど、一部報道では魚雷だっていう報道もあるので魚雷=潜水艦からの発射⇒逆にアメリカとかの最新鋭の潜水艦とかなら気づかれずに急襲することも可能なんじゃない?とか思ってしまいます。あとは、やっぱサウジアラビア説ね。

 

サウジアラビア説な理由

現在、OPECと非加盟国(=OPECプラス)は減産合意しており、マーケットに流通している量を調整することで原油価格を吊り上げ、国益を得ています。

しかし減産調整しているにも関わらず、ここ最近の原油価格は価格が思ったより上がらずベネズエラの情勢不安やイランへの経済制裁も大して市場には影響を与えなかったので、ズルズルと原油価格が下落傾向だったんですね。

この2018-12-03っていうのが大体OPECプラスが再度減産合意した時期に当たります。で、そこから順調に4月くらいまでは右肩上がりで上昇していたんですが、そこをピークに下落し始めるわけです。この理由としては

・世界経済の予測を下回る成長見通し

・予想以上のアメリカのシェールオイル生産量の増加

この2つが原因で原油価格が予想よりも上がらなかったため、予想していた展開でなくなったんでしょうね、サウジアラビア的に。でもまぁ$60くらいで推移すればいいかなーとか思ってたのが、また下がり始めて$50を下回りそうになったので、、、、って感じがしなくもありません。

なので、サウジアラビアはご立腹。そしてアメリカにとっては日本とイランの交渉が進展はあったものの、自分たちが思い描いていた展開にはならなかたったのでご立腹。

じゃあ改めてイランを追求する展開にして、

アメリカはイランを敵国として非難し、タンカー襲撃という見せ玉で「もしかしたらこういうことがこれからも起こるかもね」と匂わせることで原油価格を引き上げる事ができる。

あまりにも互いに利害が一致しているとしか思えないですよね。

だって魚雷打ち込むような戦力をもっているのに、撃沈させてないし。もしタンカーに積んでるものが目的ならエンジンなんて狙わないでしょ。運べなくなっちゃうし。かなりの戦力をもった海賊だったとしても、そこまで馬鹿じゃない。

だからあえてエンジンを狙ってホルムズ海峡に漂流させることで他国への見せしめにしている気がします。

なので、4月くらいから緩やかに下落していた原油価格はここで一度止まる気がしますね。で、OPECプラスの減産継続か否かの会合が今月6月下旬に開催されます。

ここで、OPECが減産継続するのか?非加盟国であるロシアが継続拒否して市場に展開していくのか?

注視する必要がありそうです。

 

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