決戦は金曜日!6月22日に迫ったOPEC総会と原油価格の行方!
北朝鮮との会談が成功だったのか表面上だったのかはまだわかりませんが、少なからず同じテーブルに金正恩を引っ張り出したトランプ大統領の行動力にはただただ驚くばかりです。
やはり彼は政治家というより実業家で、アメリカの大統領としてではなくアメリカという大きな会社の社長として君臨している気がしてなりませんww
もちろんやり方は強引で、軋轢が生まれてはいるのですがそんな軋轢の大小は零細企業ですらある話で、それをイチイチ気にしていたらアメリカという馬鹿デカい国の運営は出来ないと思います。
事実、トランプ大統領に変わってからは経済も調子が良く株価なども含めて少なからずアメリカの経済が潤っているのは確かです。
そんなトランプ大統領ですが、その豪腕は世界の原油市場にさまざまな影響を与えています。
シェール革命による割安原油の輸出拡大
オバマ政権時代(2017年)に解禁した原油輸出ですが、シェール革命によって世界最大の産油国になったアメリカの原油はOPEC加盟国、非OPEC加盟国と比べても割安な価格で世界に供給することができる状況にあり、またその輸出量も年々増えています。
事実、経済成長にともない非常に多くの原油を輸入している中国の国有最大石油精製会社Sinopec(シノペック)は今月6月から輸入の4割をサウジアラビア産の原油からアメリカ産に切り替えました。
イラン核合意からの離脱
これに関しては以前に書いたので省きます。
イラン・ベネズエラの供給不安解消のためOPECへの減産緩和要請
現在、OPEC加盟国で供給不安がある国は2つあります。ひとつは上でも書いたイラン。そしてもう一つの国が原油の埋蔵量世界一を誇るベネズエラです。この国は確かにアメリカから経済制裁を受けてはいるんですが、それに加えて非効率な投資、納入業者への支払い遅延、汚職などで外貨収入の96%を占めていた石油事業が麻痺していて以前のOPECによる減産合意(自主的な生産調整)ではなく、ただ単純に原油生産が減少していてもうそれが6年以上も続いています。この惨状はそう簡単に改善が見込めるものでないため、240万バレル/日量だった原油輸出量が150万バレル/日量にまで縮小しています。
こうした状況から、これ以上マーケットに供給される原油が縮小していくと更なる原油価格の高騰が予想されるため、ついにアメリカが減産緩和として100万バレル/日量の増産をOPEC加盟国に要請したようです。
*すでにOPEC加盟国としてはサウジアラビア🇸🇦、非加盟国としてはロシア🇷🇺が増産する事がほぼ確定しているようです。
Twitterで牽制
4月20日の時点で
OPECがまた仕事してるみたいだな。海上にある満載のタンカーを含めて記録的な量の原油があるのに原油価格は人為的に高騰させられている!良くないし到底受け入れられるわけないだろう!
と呟いていて、つい最近(6月13日)も
原油価格が高すぎる!OPECがまたやりやがった!全然良くない!
って呟いてます。
この呟きに対して、OPEC 理事でイラン人のホセイン・カゼンプール・アルデビリ氏は
「イランとベネズエラに経済制裁しといて、よくそんな事言えるな!」
と反論してますけど、こうやって牽制することでOPEC加盟国などの原油産出国に対して免罪符を与えているようなもんですからね。
こうすれば、対象国はアメリカのお墨付きを得た上で増産することができるから諸外国からの非難も受けないで済みますからね。
アメリカの思惑と原油を取り巻く今の状況
こうやって原油に関わる人に色々とプレッシャーをかけているアメリカなんですが、その目的な何かというと、やっぱり
シェールオイル採掘コストの抑制
なんですね。
ここでも書いたんですが、
シェールオイルの採掘コストを下げるには、重機などを稼働させるための軽油などの価格が下がることが最優先。すでに技術革新により採掘コストは以前より下がってきてはいるものの原油価格が低ければ低いほどコスト削減が出来る。
そうすれば、更にシェールオイルを採掘することが出来るってわけです。
で、予想としては6月22日のOPEC総会で正式に減産合意が緩和され、加盟国・非加盟国ともに調整はあるものの増産体制に入ることでしょう。
あと、ある意味予想外の出来事としては、イラン核合意からの離脱でイランと貿易などで取引がある企業に対して制裁をするといってたんですが、いくつかの大手企業がビビることなくイランとの取引を継続させると明言したため、供給不安になると思われていたイランの原油もこれまで通りマーケットに流通しそうです。
って事は、つまり
- アメリカは割安な原油輸出を拡大
- OPEC・非OPEC加盟国どちらも増産体制
- イランも変わらずマーケットに供給
って状況になるので22日以降原油価格が大幅に下落する可能性がありますねw
で、だいたいその影響が出るのは日本だと1週間くらいタイムラグがあるので、7月以降に少しずつガソリンスタンドの看板価格も下がってくるんじゃないでしょうか。
もし憶測通りに事が運べば、7月〜8月と行楽シーズンに入るのでお財布に優しい展開になるかと思います。
でも、これはあくまでも憶測ですからね。
まずは今週末のOPEC総会の結果を待つ事になりそうです。
今関商会
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