2021年11月25日

【どうなるガソリン価格】国家備蓄の石油放出による代償とOPECプラスなど産油国の思惑

国家の石油備蓄放出

原油価格が高騰する中、日本政府は、アメリカ バイデン政権の要請を受けて、石油の国家備蓄のうち国内消費量の数日分を放出することを正式に発表しました。政府としては、アメリカや韓国など各国と協調姿勢をとることで、原油価格の上昇を一定程度抑えるねらいです。

という報道がされ、原油高騰に対する石油販売価格の下落を目的として国家備蓄の石油を放出することが確定しました。

コロナによる原油価格の高騰への対策ということなんでしょうが、実際どうなのでしょうか。

その前に暫定税率とか二重課税とか色々解消しなきゃいけない問題あると思うけど

加えて今回の措置はアメリカからの要請によるもので、石油の備蓄放出としては2011年6月にリビア情勢の悪化を受けて民間備蓄から出したのが最後で、外国からの要請を踏まえ国家備蓄を放出するのは初めてとのこと。

日本政府としては、放出量は限られるもののアメリカや韓国、中国やインド、イギリスと協調姿勢をとることで、原油価格の上昇を一定程度抑える狙いがあるようですが私個人の見解としては

あんま意味ない!ってか大きな代償になるかも

って思います。

なんで今回の備蓄放出が意味ないのかをこれから書いていこうと思います。

1.コロナと原油価格の関係性

2.脱炭素社会化による産油国への影響

3.備蓄放出でどうなっていくのか

 

コロナと原油価格の相関図

日本でコロナが本格化したのは2月3日横浜港にダイヤモンド・プリンセス号が寄港した時だと思いますが、世界的にどうだったのかコロナの感染者・死亡者数の推移と原油価格の推移にマーキングしてみました。

赤枠:コロナの世界的流行で原油需要が減退したため、4月に原油先物が大幅下落

青枠:感染者は増えるものの、死亡者数は増加しなかったため原油価格も$40前後で安定

紫枠:コロナ第一波:1月4日、第二波:4月19日、第三波:8月23日

緑枠:コロナ第三波のピークアウトで原油需要が復活、北半球に冬到来で加速度的に原油が高騰

 

まとめると、

コロナで原油価格がマイナスに転じたというトラウマを産油国が払拭できず、コロナに原油価格を振り回されないために減産を継続させた結果、現在の原油高騰という状況になってしまったと考えるのが妥当かと思います。

そして今回の石油備蓄放出によって各国内の石油マーケットの価格上昇を抑えることは一時的にできたとしても、あくまでも“一時的”であって、この放出期間中に産油国が減産の停止、即ち以前の供給量まで増産することが確定しないと備蓄放出分が消費されてしまった場合は八方塞がりとなることが予想されます。

脱炭素社会と産油国の思惑

脱炭素というキーワードは地球温暖化が問題になった時からチラホラ出ていましたが、昨今の世界的な異常気象なども相まって声高に叫ばれるようになりました。

そこに輪をかけて、プリウスのようなHV車がガソリン車に比べて環境に優しいという観点から海外セレブを中心に流行しました。ある種、プリウスに乗っている=環境に気を遣っていますというアピールになったんですね。

そうやってHV車が世界で幅を利かせる中で、冷や飯を食っていたのは欧州をはじめとする自動車メーカーでした。

彼らも彼らでクリーンディーゼル車というHV車に対抗すべく環境に重きを置いたラインナップを発表しましたが蓋を開けてみれば不正の数々。

結果としてさらにHV車に拍車をかける展開になってしまったのは誤算だったと思います。

そんな彼らの次の一手が脱炭素を主軸にした電気自動車(EV車)の普及です。

化石燃料を使わず、クリーンな燃料で走ることのできる自動車を大々的に発表し、HV車を含むガソリン車を環境に考慮しない車と敵対視することで一度は手から離れた自動車の覇権をもう一度握りたいというのがヒシヒシと感じられます。

そんな影響はもちろん産油国にも波及します。将来的にEV車の普及は原油需要の減退を招き、結果として彼ら産油国の地位は危なくなります。

もちろん彼らとて指を咥えてその状況を静観しているわけではないのですが、サウジアラビアなど脱炭素から脱却したい国々もエネルギー政策を転換を計画していますが思うように進んでいないのが事実です。

その中で追い討ちをかけた今回のコロナショック。原油価格はマイナスになり、財政的にも厳しくなったであろう各国は今のうちに少しでも収益を得るため減産を継続しました。

それが今回の原油高騰を招くわけですが、そりゃ自国が債務超過になって転覆するくらいだったら環境問題なんて二の次になるのは当然だと思います。

12月2日に予定されているOPECプラス会議(産油国やロシアなどよる生産調整会議)では、今回の石油備蓄放出の報道を受け、その対抗策として減産の継続含めた何かしらの案が出てくるものと思われています。特に原油などを輸入に依存している日本含めた各国は今回の放出分を再度購入しなければいけないので、そこで少しでも高く買わせようとするならば産油国が減産体制を解除するのはまだまだ先になりそうです。

 

 

石油備蓄放出がもたらすこと

今回の石油備蓄放出は報道にもあった通り、アメリカや韓国、中国やインド、イギリスといった国との協調も含めた決定です。ただアメリカはバイデン大統領の支持率低下にブレーキをかけるための対策のような気がしてなりませんし、中国は脱炭素を舵を一気にきった反動で石炭不足などに陥り結果として地方で電力不足が深刻化しています。冬を迎える中国では電力不足で凍死する人が出てきているほどで、今回の備蓄放出で少しでも電力を供給し現状打破したい、国民の目先を変えたいという思惑があってもおかしくありません。

他の諸外国も同様に今回の石油備蓄放出に同意した国に対して、産油国が“敵対行動”とみなすのは当然でしょう。先ほど書いたように日本など原油を輸入に依存している国にとって産油国を敵に回すのは避けたい所ですが既に決定してしまったから仕方ない。

ただ今回主導したアメリカは自国で賄える分の産油国でもあり、中国はその広大な国土を最大利用すれば太陽光発電などを駆使すれば発電することは可能です、これはインドも同様。イギリスは近くに北海油田があり、ヨーロッパは世界でも有数の再生可能エネルギーを生み出す場所なのでEU離脱したとはいえ、そこらへんはどうにかなるでしょう。

問題は日本と韓国です。

どちらも完全に輸入に依存している国なので、もし今回の件で不利になるような状況になったら目も当てられません。

しかも為替は115円と円安が進む中で輸入しなければいけないなら、その影響は多大なものになるでしょう。

オイルショックで原油が高騰したときに出光が起こした日章丸事件みたいなのは、もうこの御時世では難しいと思いますが、アメリカの一挙手一投足に振り回されず、小手先の付け刃のような政策ではない芯のある経済政策を行ってほしいと思います。

 

170円超えたら石油元売に5円補助とか我々みたいな市況の価格に連動せざるおえない販売店には意味ないから!!

最後に

今回の原油価格高騰がなぜ起こったのか、国家備蓄の石油放出による影響などを考察してみました。

原油価格はどうしても投機物なので中国の不動産が破綻して、そこに充てがわれていた資金が原油先物に流れて影響を与えている一面もありますが、コロナの影響はまだまだ収束までは長引きそうです。コロナが収束したとて、前のように戻ることはないのかもしれません。

今回の石油元売に対する補助金もそうですが、飲食店に支給していた給付金も含めてなんだか場当たり的な政策感が否めませんが、少しでも国内の流通価格を抑制して灯油などの需要が大きくなる今冬だけでもお買い求めやすい金額で我々が売れるよう暫定税率の一時的撤廃だったり、ダブルタックスの解消だったり少しでも意味のある政策をしてもらえればと思います。

 

 

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今関商会

1952年創業の今関商会の三代目。 大学卒業後、出光興産(株)の東海支店にてガソリンスタンドの現場から販売促進課、工業用潤滑油課、販売店担当などを経て退社。 2013年より、実家である(株)今関商会に入社。 趣味はNFL鑑賞と筋トレ 2児の父でもあります。 会社ではSS現場やブログ、Facebook、instagram等、SNSの更新も行っています。

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