2015年09月25日

似て非なる戦闘機の燃料、その専門性と汎用性。

以前書いた

 

 

で飛行機の燃料って実は、、、ってお話しをしたんですが世の中には珍しい方もいらっしゃって「戦闘機の燃料の話もしてほしい」という要望をいただいたので書きます。

 

ちなみに燃料の規格自体が民間機と戦闘機(軍用機)では違うので、この前の続きではありますが、全く違う内容になっていますので、楽しめるかと思います。

 

さて、そんな戦闘機の燃料ですが

 

まずはサクっとwikipedia情報を転用させてもらうと

 

軍用規格としては米軍のMIL-5624で規定されたJPで始まる規格名のものが一般的である。

 

JP-1
1944年に制定された初期のジェット燃料である。現在は使用されていない。

 

 

JP-4
1951年に制定された標準的なワイドカット系のジェット燃料である。1951 – 1995年の主要な米空軍のジェット機用燃料として使用された。陸上、航空及び海上の各自衛隊の一部では現在も使用されている。民間規格のJET-Bと同一である。近年ではJp-8が開発されたため、JP-8への切り替えが進んでいる。
比重: 0.751 – 0.802 (60 °F)、真発熱量: 18,400 BTU/lb、全硫黄分: 0.40 重量%、煙点: 最小20 mm
MIL規格: MIL-J-5624E

 

 

JP-5
1952年に制定された標準的なケロシン系のジェット燃料である。発火点が高く火災への安全性を要求される空母艦載機のジェット燃料として使用されている。海上自衛隊の航空機の主要燃料である。
比重: 0.788-0.845 (60 °F)、真発熱量: 18,300 BTU/lb、全硫黄分: 0.40 重量%、煙点: 最小20 mm
MIL規格:MIL-PRF-5624S

 

 

JP-6
B-70超音速重爆撃機専用燃料。
North American XB-70
通称:Valkyrie ヴァルキリー

 

 

JP-7
SR-71高高度偵察機専用燃料。
Lockheed_SR-71_Blackbird
通称:Blackbird ブラックバード

 

 

JP-8
2008年現在の陸・空軍統合ジェット燃料。民間規格のJET-A1とほぼ同一である。

 

 

JPTS
U-2高高度偵察機専用燃料。
RTR200901190068
通称:ボノ(Bono, 1960年5月10日生まれ)は、アイルランド・ダブリン出身のロックバンド、U2のリードボーカルであり、バンドのフロントマンとして知られる。本名はポール・デイヴィッド・ヒューソン KBE(Paul David Hewson KBE)。国際的な慈善活動家としても知られ、ノーベル平和賞の候補に3度選ばれている。ちなみに由来は補聴器店の店名「ボナ・ヴォックス」(Bona Vox:ラテン語で「いい声」の意)で、「やかましいほど声が大きい」ことを喩えたものである。※wikipediaより抜粋

 

おっと、これはU2間違え!!

 

本当は
maxresdefault
通称:Dragon Lady ドラゴンレディ超高高度用として非常に高い安定性を持っている。U-2に燃料を入れるためだけに年間 1,000万ドル(=10億円以上)の維持費をかけてアメリカ合衆国の2か所の精油所でのみ生産されており、1ガロンあたりの値段はJP-8の3倍以上と言われている。また、その塗装から「黒いジェット機」の異名もあるようですが「そのまんまじゃねぇか!!」っていうツッコミは無しの方向でお願いします。※wikipedia「ジェット燃料」より転載

 

 

と、このように戦闘機専用の燃料がある一方で、JP-8のように民間機とほぼ同様の品質をもつジェット燃料もあります。というのも

 

 

アメリカなんかは軍隊もあって色んな国の紛争に首を突っ込んで掻き混ぜて放置プレイっていうのが常套手段なので、「各種戦闘機取扱っております。また燃料も各種取り揃えておりますのでお申し付けください」って看板立ててもいいくらい様々な機体と燃料があっても問題ありませんが、日本はそうもいかないですからね。

 

 

あれです、充電器と一緒です。出先で充電器忘れたのに気付いて充電したいのに周りがiPhoneユーザーばっかでAndroidユーザーが全く充電できないじゃん!!って状態に似てる。

 

 

少し真面目に話すと、戦闘機だって確かに今後は重要性を増すから機体の種類は増えるかもしれませんが、少なからずアメリカみたいな原油国ではないので燃料を細分化して専用の燃料を精製するのには限界がありますね。

 

 

 

だから燃料を輸入に頼っている現状などを含めてなるべく民間機とほぼ同様の規格であるJp-8を使用することで、燃料の確保だとか緊急時の互換性を持たせて効率化を図っているのだと思います。ちなみにこのJP-8、その高い安全性から航空機用だけなく戦車や車両のガスタービンやディーゼルエンジンの燃料としても使用されるマルチな燃料です。確かにワイドカット系なので、車両の燃料として使用しても大丈夫なのかもしれませんね。

 

※ワイドカット系がわからない人は「ガソリン・軽油・灯油・天然ガス、さて飛行機の燃料はどれでしょう?」をチェックしてみてください。

 

 

ちなみにみなさんが知っている国産戦闘機”ゼロ戦”の燃料は

Zero_11_on_China

 

 

 

 

 

ハイオクです!!

 

 

ただし燃料枯渇という背景のもとにはじまった第二次世界大戦でもあるので当時はハイオクを供給することができずレギュラーガソリンを入れていたようです。

 

つまり性能を最大限生かすことができなかった!!って事なんですね。

 

もしハイオクを供給できてたら、、とも思いますが、そんな余裕があったら戦争に突入してないわ!っていう事になるので致し方ないですね。

 

 

ただこれは現代社会にも言える事なんですが、たまにいますよね、ハイオク車だけどレギュラーいれてる方。

別にこれは個人の感想なので気にする必要もないですが

 

ハイオク仕様のエンジン設計の車に

 

レギュラーガソリン給油 ⇒ ハイオクに比べて性能が発揮できない(加速など) ⇒ その分アクセルを踏む ⇒ 燃料消費が早い ⇒ 給油する回数が増える ⇒ 無駄な出費

 

ってなります。

 

あとは万が一故障した場合、メーカー保証外になったりするのでご注意を!!

 

今日も皆様の御来店お待ちしております。

お辞儀

 

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1952年創業の今関商会の三代目。 大学卒業後、出光興産(株)の東海支店にてガソリンスタンドの現場から販売促進課、工業用潤滑油課、販売店担当などを経て退社。 2013年より、実家である(株)今関商会に入社。 趣味はNFL鑑賞と筋トレ 2児の父でもあります。 会社ではSS現場やブログ、Facebook、instagram等、SNSの更新も行っています。

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