2020年3月31日で協調減産が終了したOPECプラスとトランプ大統領の仲介、今後の原油価格はどうなる?
いつから協調減産はスタートしてたのか?
今回、2020年3月31日をもってOPECプラスによる協調減産が一度終了しました。
市場への原油供給量を制限することで市場価値を一定に保ち、各国の財政を安定化させる目的のためにスタートした協調減産でしたが新型コロナウイルスの世界的蔓延により国家間での調整が難しくなったための今回の減産終了です。
それまでの顛末に関してはこちら
で、そんな協調減産がはじまったのは、
2017年1月1日
なので、なんだかんだ3年ちょっとはOPECプラスとして原油価格を調整してたんですね。
2016年に底値$26くらいまで原油価格が下落したのを懸念した産油国が供給過多を解消させるためにスタートしてますね。そのあとだいたい$50~70前後をフラフラしてますからね。2019年に$42くらいまで下がるものの、そっからしっかり立て直してますし。なんだかんだ協調減産は機能していた証拠ですね。
協調減産が終わった4月以降
2020年4月1日からはOPECプラスという枠に縛られることなく各国がそれぞれのスタンスで市場に原油を供給していく想定になっていたので、原油価格も投機的な存在として4月を迎える前に暴落しました。
$45くらいだったのが一瞬で$20台まで落ちてきて、一時期は$20も割り込むんじゃないかと予測されていました。
そんななかで、アメリカのシェールガス会社ホワイティング・ペトロリアムの破産申請。
地下に埋蔵しているシェールガスを採掘してビジネスとして成り立たせるためには$50前後という事なので、採算コストが見合わなくなったんでしょうね。
こういったシェールガス関連の会社は「ハイイールド債」と呼ばれる信用力の低い債券を発行して資金を調達していたものの、ここ数か月の経済混乱で金利が高騰して資金繰りが難しくなってしまったんだと思われます。
※ハイイールド債とは
利回りが高く信用格付が低い債券のことで、ジャンク債などともいわれます。イールド(yield)とは、直訳すると、収益、利回りという意味となります。
具体的には、格付会社などで信用格付がBB(ダブルビー)以下の評価をされている債券で、信用度が低い分、格付の高い債券より金利が高く設定されています。
やっぱり出てきたトランプ大統領
原油価格の暴落によって倒産したともいえるシェール企業の破産申請をうけて、現状を打破すべく、予想通りトランプ大統領が動きましたね。
サウジアラビアとロシアの争いではじまった今回の原油戦争の仲介に入り、サウジアラビアの皇太子とプーチン大統領と会談して、もしかしたら最大で1500万バレルの減産合意できるかもね!!ってtwitterに書き込んでるし。
そのおかげで原油価格も
わかりやすく、一気に$22から$26に迫る勢いで高騰しましたからね。
たった140文字に満たないtweetだけで原油価格を押し上げちゃうトランプ大統領はさすがだなーと感心します。
サウジアラビアも公式にOPECプラスに対して、「緊急会議やろうや!!」って招集願いだしたみたいだし。
ただあくまでもここの情報は希望的観測みたいなもので、本当にサウジアラビアとロシアが同じテーブルにつくかどうかもわかりませんし、もしついたとしてもそれが合意に繋がる保証はないのでまだ喜ぶのは時期尚早かもしれません。
結局これからどうなるのか
これに関してはOPECプラスの緊急会合の日程も決まっていませんし、すぐに何か進展があるとは思えません。
しかしこれまで見込みゼロだったサウジアラビアとロシアの和解に可能性が出てきたことは事実です。
その可能性があるうちは、現状の原油価格も大きな変動はないでしょう。
つまり
上がりもしないし下がりもしない。
なので、その末端である私たちガソリンスタンドの看板価格は今が底値かもしれません。
これで協調減産合意!!ってなった瞬間に原油価格は高騰するでしょうし、その上げ幅は今回のトランプ大統領によるtweetの比ではないと思います。
そしたら自然とその価格上昇に合わせて、店頭の看板価格も上昇する見込みです。
なので、「もしかしたら来週は今以上に安くなるかもしれない!!」と思って定額や定量で給油している方いたら、あまり期待しないほうがいいかもしれません。
今関商会
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