2020年02月07日

2020年2月から携行缶給油する場合は本人確認・使用目的確認・販売記録の作成が義務付けられました!

義務付けになった原因ともいえる京都アニメーション放火殺人事件

<京都アニメーション放火殺人事件> 7月18日午前10時半ごろ、アニメ制作会社「京都アニメーション」の第1スタジオ(京都市伏見区)から出火し、社員36人が死亡した。さいたま市見沼区の青葉真司容疑者が、ガソリンをまいて放火した疑いが持たれている。事件直前、ガソリンスタンドで約40リットルを携行缶で購入していたことが分かっている。

ガソリンによる放火殺人事件というものはこれまでにも、宇都宮宝石店放火殺人事件武富士弘前支店強盗殺人・放火事件大阪此花区パチンコ店放火殺人事件などが存在したが、京都アニメーション放火殺人事件はそれ以上の多くの死傷者を出したことがキッカケとなり、ガソリンなどの揮発油を携行缶に給油する際に本人確認・使用目的・販売記録の作成が義務付けられるようになりました。

本人確認方法

運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど公的機関が発行する写真付きの証明書、または偽造困難な IC チップに記録された券面情報を読み取ることにより本人確認を行うことも可能。

なので、顔写真付きではない身分証明書は身分証明書として適用されないので保険証とか持ってきても意味ないので気をつけてください。

ただし、以下のいずれかに該当する場合には、本人確認を行うことのできる書類の提示を省略することができます

  • 既に上記本人確認が行われている顧客の場合
  • 顧客と継続的な取引があり、当該事業所において氏名や住所を把握している場合
  • 当該事業所や提携する企業が発行する会員証・組合員カードなど、あらかじめ本人確認が行われており、当該事業所において顧客を特定することができる書類が提示されている場合
  • 顧客の所属する企業と継続的な取引があり、当該企業が発行する写真付き社員証が提示されている場合

使用目的の確認について

ガソリンの容器への詰替え販売を行う際、顧客に対し、使用目的の確認作業を行うこと。この場合において、「農業機械器具用の燃料」、「発電機用の燃料」等の具体的な内容を確認する必要があります。

販売記録の作成について

ガソリンの容器への詰替え販売を行った際、販売日、顧客の氏名、住所及び本人確認の方法、使用目的、販売数量を記入し、1年を目安としてこれを保存しないといけないんですね。でも顧客の氏名は、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号)第2条第1項第1号に基づく個人情報に該当するものであることから、販売記録の作成及び保存における個人情報の取扱いについては留意点と顧客に対して個人情報の利用目的を知らせるとともに、当該顧客の氏名等を他の顧客に見られないように販売記録を作成・保存する等、適切に運用する必要があります。

その他

顧客に対し、本人確認や使用目的の確認を求めた際、本人確認書類の提示等を拒否され、本人確認等が行えないにもかかわらず、詰替え販売を行った場合は、消防法令に係る技術上の基準違反となるものであること。

また、「給油取扱所におけるガソリンの容器への詰め替え販売に係る取扱いについて」(令和元年7月 25 日付け消防危第 95 号)別添1の警察庁事務連絡を踏まえ、本人確認等を行う際、氏名、住所、使用目的等を明らかにすることを拒否する等、顧客の言動等に不審な点を感じた場合は、警察署へ通報するよう配慮されたいこと。

震災時、大雨や台風等に伴う風水害発生時又は長時間停電の発生時など、災害その他緊急やむを得ない場合において、ガソリンの詰替え販売を行う場合は、顧客の本人確認、使用目的の確認及び販売記録の作成を省略することができます。

現場として

今回の京アニの事件に関しては大変痛ましい事件であるとともに、犯人に給油をしてしまったガソリンスタンドに対する容赦ない誹謗中傷がありました。お店としてもそんな使用意図があるなどは到底理解できるわけもなく、しかし事件が起きてしまったことで自責の念に駆られることは容易に想像できます。

また言動などに不審な場合は~と確かに記載はありますが、その判断はとても難しく言葉にするのは難しいですが“普通の人”を“不審な人”と判断し、通報してしまった場合のお店側のリスクを考えると通報するということはかなり極端な状況でなければ下すことのできない判断だと思います。

それこそ“普通の人を不審な人として通報した店舗”としてレッテルを貼られようものなら、それこそ店舗を運営していくのは難しくなります。

実際、この注文書・記録の作成がどれだけ抑止力になるのかは甚だ疑問です。

せめて

最寄りの消防局などで講習を受けた人のみが所持できる顔写真入りの許可証などを発行することで携行缶への給油が可能になる(毎年の講習受講必須など)

くらいの行政側の協力は必要だし、保険証とリンクされると言われているマイナンバーカードともリンクさせることで申し訳ないけど精神科への通院歴などから発行していい人なのか否かというものの判断ができるようになるかもしれません。
※通院歴があって医師からの許可が下りた人は受講できる的なフィルターは必要かもしれない

今回のこの対応に関しては現場への負担になるだけで、残念ながら抑制力はほぼ働いていないと思います。

現に、これを機に携行缶への給油を禁止にしたガソリンスタンドも存在します。

都合のいいばかり、社会に必要なインフラと持ち上げるのではなく恒久的に必要な存在としてガソリンスタンドが存在するためにも、もう少しでいいので現場に寄り添った対応策を考えてもらえれば幸いだと思います。

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今関商会

1952年創業の今関商会の三代目。 大学卒業後、出光興産(株)の東海支店にてガソリンスタンドの現場から販売促進課、工業用潤滑油課、販売店担当などを経て退社。 2013年より、実家である(株)今関商会に入社。 趣味はNFL鑑賞と筋トレ 2児の父でもあります。 会社ではSS現場やブログ、Facebook、instagram等、SNSの更新も行っています。

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