2021年04月22日

電気自動車の今後、そしてガソリンスタンドの行く末は

電気自動車がどこまで普及するのか

いつの間にか政府の方針として、2035年には新車販売を100%電気自動車にするみたいですね。

あくまでも努力ベースで罰則もないので、今だけの発言だと捉えています。

ただ少しずつではありますが電気自動車が普及するにつれて、“ガソリンスタンド”という存在自体もまたその意義がかわっていくかもしれません。ガソリンを売らないガソリンスタンドなんてもうガソリンスタンドではないし。じゃあガソリンスタンドの計量機を一部電気自動車の充電スペースにすれば、そのまま活用できるじゃないか!と思うかもしれませんが、たぶん消防法の関係で設置はできないはずです。給油中のスマートフォンの使用は原則禁止されていますし(たぶん知らない人が多いと思いますが)、もちろん電子タバコも禁止です。熱源があるものは使用禁止なので、並んでいる計量機を外して充電スペースにできるわけがありません。

減っていくガソリン、減らない軽油

2019年の段階での見通しなので、「コロナなどの影響が想定されていないためどこまで乖離があるかはなんとも言えない」というのを加味しても、揮発油(がハイオク・レギュラー)の需要は確実に減っています。

これは車の保有数が〜とか若い世代の車離れが〜とかではなく純粋に自動車の性能が向上して、燃費が良くなったことに起因しています。

ちなみに新車販売台数と保有台数に関しては面白いデータがあって

参照:https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17315597

新車販売台数は減っているのに、保有台数は増えている。

そう、中古車市場が盛り上がっているんでしょうね。

そして車検代金が13年目から上がるので、それまで大事に乗って買い替えという選択をしているのかもしれません。*ディーゼル車は11年目から車検代金が上がるので注意。

で、買い替える車はさらに燃費のいい中古車なので自然と需要が減っていくというわけです。

また最近はこれまでの大手配送会社に加えて個人の配達業者も増えたのも保有台数増加の一因かもしれません。

そう、Amazonや楽天などのネット販売が増えれば自然とそれを配達する需要が出て、結果として軽油の需要は横ばいなのだと推測します。個人の配送業者も増えているのでガソリンもある程度使用しているはずですが、、、。

あとはクリーンディーゼル車が普及したこともあると思いますが、この影響はそこまで大きくはないかな、、、と実際現場(ガソリンスタンド)にいると思います。あんまりクリーンディーゼル車に給油する機会がないから、こんな感想になります。

軽油がガソリンを超える日

先ほど添付した画像では、

ガソリン 51,833(2017年度) ⇨    45,382(2023年度)▲6,451

軽油   33,820(2017年度) ⇨    33,860(2023年度)➕40

6年間でガソリンがこれだけ減っていき、約900/年(平均)減っていくのに対し軽油は横ばいと考えると約12年後くらいには同等の需要になるはずです。12年後ってことは2029年度?2035年に向けて電気自動車の普及も加速していくはずなので、もしかしたらもっと早く同等の需要に並ぶ可能性があります。

 

ガソリンスタンドはさらに淘汰される

電気自動車の普及とハイブリッド車などの技術革新が更に進むことで自然とガソリン自体の需要は減っていきます。

お客様の来店頻度が下がれば、それだけ販売量も減り、販売量が減れば収益も先細っていくのは誰もがわかるはずです。

既に一部の市町村ではSS過疎地と呼ばれる地域が出てきており、神奈川では足柄や逗子、真鶴などもSS過疎地に該当する地域になっています。

その原因は、やはりガソリンスタンドの需要減少や後継者問題です。そして今回のコロナによる観光地への打撃なども考えると、地方などは廃業するお店も出てくるのではないでしょうか。

もちろん町に1つしかないガソリンスタンドが潰れたら給油することができなくなり、何十キロも先のガソリンスタンドに片道30分くらいかけて給油しに行かなければなりません。給油するために車を走らせる。本末転倒です。ただ実際にそういう地域が出始めているのも事実です。

ガソリンスタンドから次のガソリンスタンドまでの最長距離は175.1kmらしいですからね。

携行缶は常備しておかないと北海道はドライブできませんね、、、。

結論

2035年までに電気自動車がどこまで普及するかにもよるし、政府の補助金政策とかにも左右されるとしてもガソリンスタンドというインフラは簡単にはなくならない。ただし後継者不足などの観点から地域によってはガソリンスタンドが存在しない過疎地がうまれ、ガソリンスタンド難民が増える可能性がある。でも、これはもしかしたら電気自動車に切り替える良いタイミングなのかもしれない。

 

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今関商会

1952年創業の今関商会の三代目。 大学卒業後、出光興産(株)の東海支店にてガソリンスタンドの現場から販売促進課、工業用潤滑油課、販売店担当などを経て退社。 2013年より、実家である(株)今関商会に入社。 趣味はNFL鑑賞と筋トレ 2児の父でもあります。 会社ではSS現場やブログ、Facebook、instagram等、SNSの更新も行っています。

この投稿へのコメント

  1. 今井利道 said on 2021年11月18日 at 8:18 PM

    脱炭素化という視点から、効率の良い消費は必然だと思います。1Lガソリンで50km走る車作りか、環境に優しい新たな動力を開発する必要はあるでしょう。今が良ければ先の事は関係ない。車の運転をしていると必ず見かける自己中運転者を見ると絶望を感じますが、そんな方は事故で死ぬ運命と思えば気の毒です。日本の政治家もほとんど自己中と考えると、いずれ日本を含めた世界は終わるのかも知れません。バカは死なねば治らない。バカとは交わらない生き方を選択しなければならない時代に入ったと考えるが正しいのかも知れませんね。

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