2021年07月09日

都心・地方での車の意義とは?一軒家はEVを、マンションはPHEVやHVをおススメ

思ったより普及していないインフラ

2010年から右肩上がりで増えていたEV用充電スタンドが初の減少に転じたっていうニュースなんですけど、やはりEVの普及率が全体の1%にしか満たない中でメンテナンスだったりと思ったより費用対効果が見込めない事で撤去したりする施設が増えているようです。

2035年までに新車販売を全てEVにするという政府の方針はあるものの期日までまだ14年近くあり、思ったより普及していかない電気自動車に対しての結果だと思います。

地方と都心では車の存在意義が違う

地方では生活必需品のような立ち位置の自家用車も、都市部では移動手段の一つであり、一週間の稼働率は高いとは言えません。

平家で庭が広くて、、、という家は都心になればなるほど戸数は減っていきます。家族がそれぞれ車を所有していて〜なんて話は滅多に聞かないし、自分の敷地内に2台以上駐車スペースがある家はほとんど見かけません。でも結構地方に行くと、これが普通だったりします。それこそ車が足がわりなので車がないと移動に支障がでる地域もあります。ちょっとそこまでの買い物でも“ちょっとそこまで”の距離感が全然違うし、道路脇の案内看板が「マクドナルドこの先8km右折」とか書いてあってマックに行くのにどれだけ走るんだと驚いたりします。

都心部はマンションに駐車場はついているけど居住者全世帯分のスペースはなく抽選に外れた家は近くの駐車場と契約だったり、そんな駐車場でも月に2万円とかかかるわけです。車を持っていない世帯も多く、交通インフラがある程度整っているのでバス&電車を駆使すれば、大体どこへでもいけます。マックは駅前に行けば大体あります。

このように車の存在意義が違うと、家庭における車の優先順位は低くなり、そこへのお金が注ぎ込まれる量も減ります。

一軒家にはEV、マンションはHV車が合っている

なぜこんなことを書くのかというと、所有する車の1台目を何にすべきかという話になります。

【一軒家の場合】

一軒家で駐車スペースを敷地内に保有しているというのが条件になりますが、こういう場合はEV車をFirstCarにするべきだと私は考えます。やはり自宅で充電することが可能というのが最大のメリットであり、最近では航続可能距離も改善されていて日産リーフは400km走行が可能ということなので車で帰省するなど長距離を走る時以外のチョイ乗りなら十分です。長距離走る必要があるなら、それこそレンタカーでHVの大きい車(アルファードとか)を借りて帰省する方が充電スペースの心配などをする必要がなくなり快適だと思います。もちろん自宅にEV用充電スタンドを設置する必要ができてくるので初期投資が〜などはありますが補助金ができるので支出を抑えることが可能です。

日産リーフに関しては年間維持費に言及しているサイトがあったので、参考にさせてもらうと

リーフの年間維持費は年間約14万円です。表にまとめると以下のようになります。

電気代 29,040円(夜間の電気で充電)
自動車税 29,500円(2年目のみ7,500円)
車検(1年あたり) 33,000円(購入後初めての車検時)
任意保険 49,300円
年間維持費 140,840円

任意保険は2019年式リーフSで、条件は30歳以上、免許はブルー、走行距離8,000キロ、対人対物賠償無制限、運転者制限なし、車両保険あり、20等級で計算しました。

車検に関しては、何も不具合がない場合となります。リーフの場合、電気自動車ですので電装系の部品が故障してしまうと修理費用がかさみます。保証を付けるなどして故障しても費用がかさまないようにすることが大切です。

参照はこちらのサイト

もちろん駐車スペースは自宅の敷地内なので費用はかからず。

またEV車はエンジン駆動ではなくモーター駆動なのでエンジンオイル交換やミッションオイルの交換が必要でないので、そこのコストがガソリン車に比べると削減できます。しかし一方で電装系は全てディーラーなど専門工場に任せっきりになります。バッテリー交換など自分でやっていた人も自身でやらないことをお勧めします。従来の車にもあったクーラント交換やワイパー交換、エアコンフィルターの交換などは近所のガソリンスタンドでも可能ですし、タイヤ交換や洗車なども可能です。

ただ一つ注意しないといけないのは、

安易に中古車に手を出さないこと

やはり電気自動車は充電するバッテリーなどに大きな負荷がかかっているので、消耗も激しくて中古車購入後にバッテリー劣化で即交換する羽目になり多額の費用がかかる場合があるので、できるなら新車購入をお勧めします。

【マンションの場合】

マンションに住んでいる方にHV車を勧める理由としては、一軒家に住んでいる人と比べて夜間の充電などができず、自身の活動時間内で充電に行く必要があり時間の浪費が発生するため、そこを少しでも短縮するためには3分程度で給油できるHV車の方が時間の有効活用ができるという点が挙げられます。マンションの駐車場はあくまでもマンションの所有スペースを借りているだけなので自分が借りているスペースに勝手にEV用充電スタンドを設置するのは不可能です。またマンション外に駐車場を借りている人も同様です。

たまにマンションの駐車スペースにEV用充電スタンドを設置しているのを見かけますが、夜間そのスペースを独占することが可能なのかどうかでEVにするか否か考えた方が良さそうです。

 

将来的な電気代の高騰も懸念材料

東日本大震災以降、日本各地の原子力発電所に対する裁判などで稼働率が下がっているのは事実です。そしてそこを埋めるために火力発電所も稼働していますが、やはり100%補えているわけではありません。

現に昨年冬の豪雪では国内全体の電気使用量が大幅に増え、需要と供給のバランスが崩れる寸前までいきました。

この供給不足の背景には2016年の電力小売り自由化で経営に余裕のなくなった大手電力が、運転にコストがかさむ古い火力発電所を休廃止していることがある。そしてやはり大手電力が期待するほど原発が再稼働していないことも要因となっています。

こんな状況で電気自動車が今以上に普及していくと、追い打ちをかけるように電気不足になる可能性があがり、それは結果として電気代の高騰を招くことになるかもしれません。

そうすると上で示していたような電気自動車を購入するメリットなどは崩壊してしまいます。

世界は電気自動車を欲しているが日本は違う

世界の潮流として脱カーボンなどを掲げてガソリン車(HV車も含む)の廃止に舵を切りました。もちろんそれが世界の流れなら日本も追随しますが、本当に電気自動車を普及させたいと思っているのかはわかりません。

何度もこのブログでも書いてきましたが、燃料と呼ばれるレギュラーやハイオク、軽油には消費税だけでなく多大な税金がかかっています。2020年度の国の歳入は軽油を除く揮発油税だけで2.2兆円(3.5%)の占めています。そしてガソリン価格はダブルタックス(二重課税)なので、

(燃料自体の価格+揮発油税)×消費税 = ガソリンの店頭価格

だから、揮発油税も消費税も国に納めているわけです。

これが電気自動車が普及すると、ガソリンの使用量も減るので当然歳入も減っていきます。そうするとまたどっかに課税されるわけです。

東日本大震災復興特別所得税とか色々既に課税されているのに、あとどこに課税するんですかね?パチンコとかに課税してくれませんかね?

最後に

最後のほうは駄文が多くなりましたが、今後の電気自動車の普及は止められない流れだと思います。私たち、石油業界も燃料にしがみついているだけでは生きていけないので、新たな道を模索していかなければなりません。

ただ、そんなすぐにはガソリン車が走らなくなるという状況は考えにくく、また自動車業界の覇権をどうにか取り返すために欧州・アメリカが電気自動車を躍起になって普及させようとしているという見方もあります。

もしかしたら日本国内では電気自動車の普及は思ったより伸びなくて、水素自動車が一気に躍進するかもしれないなんてことも考えられます。

ガソリンスタンドがどう変わっていくのか、日本のエネルギー事業がどう変わっていくのか

不安もありますが楽しみでいっぱいです。

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今関商会

1952年創業の今関商会の三代目。 大学卒業後、出光興産(株)の東海支店にてガソリンスタンドの現場から販売促進課、工業用潤滑油課、販売店担当などを経て退社。 2013年より、実家である(株)今関商会に入社。 趣味はNFL鑑賞と筋トレ 2児の父でもあります。 会社ではSS現場やブログ、Facebook、instagram等、SNSの更新も行っています。

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